心について学ぼうとするときに必ず陥る罠は

「無意識・潜在意識を簡単に変えることができると思い込む」

という罠です。

心理学の世界では潜在意識という言葉は使いません。潜在意識というものは無意識と同義であり、無意識とは異なる部分として観念されているわけではありません。

潜在意識という言葉を使うのは、自己啓発あるいはスピリチュアルなことに関わる人です。

「潜在意識の力を借りて人生を変える」

ということを言う人がいます。

中には、たった数十秒から数分のことで潜在意識を変えることができると思い込んでいる人がいますが、とんでもない勘違いです。

意識と無意識の関係

よく考えてみてください。

人にはなぜ「習慣」があるのか。

人は自らが感じたことから考え続けて、行動を変えようと決め、長い時間をかけることで「習慣化」しています。

つまり、感じ方、考え方、行動の仕方という一連の流れは、自らの意志に基づいて継続してはじめて、無意識レベルまで落とし込むことができるようになります。

「無意識から変える」ことなどできません。

意識して習慣化して継続することができてはじめて、意識しなくても「無意識」に言動が変わっていき、後になって気づきます。

人は、自らが受け入れてはじめて変わり始めます。

そして、受け入れるという行為は無意識ではできません。

たった1回の出来事で変わる可能性は限りなく小さいものです。

事件や事故に巻き込まれるなど余程衝撃的な出来事でもない限り、一瞬で心を、価値観を変えてしまうことは考えにくいのです。

行動を変え、習慣化することを経ずに、一足飛びに無意識へ働きかけることは極めて難しいのです。

それが分かっているからこそ、私が常々申し上げていることがあるのです。

「魔法」を求める人の現実

あなたは魔法の存在を信じていますか?

近年は、テレビドラマや映画、アニメの影響があまりにも大きい時代です。

コスプレをしているだけであれば許容範囲ですが、「魔法」の存在を信じている人たちがいます。

いわゆる「スピ系」の人たちです。

中には真面目に人の心について探求している人もいます。

探求しているからからこそ、宗教や霊の存在など、目に見えないものに関心を持ち研究している人もいます。

問題は「私の方法を使えば、潜在意識を変えることができる」と言っている人たちです。

そういう方たちとお会いすると、ある特徴があります。

同じ方法の効果を信じている人たちとの間では、コミュニケーションが円滑にできます。

しかし、一般の人と一社会人としてコミュニケーションすることに問題を依然として抱えているということです。

私がお会いしたある人は

「これに出会って私は変わり、人前でもしっかり話せるようになりました」

とおっしゃっていたのですが、よく見ると手先は震え、視線は泳いだままで、言葉にも度々詰まります。

つまり、こういうことです。

その集団・団体では、どんなに話下手でも「よくできましたね」と互いに褒め合うので、自分が変わったように感じられます。

でも、その人の本質は何ら変わっていないので、一般の人と話していると表情や仕草に必ず表れてしまいます。

ただ、一般の人はその人をよく知らないので、批判や意見をすることなく通り過ぎていきます。

しかし、本人は受け入れてもらえたと思い、変わったと思いこんでしまいます。

現実はこうなのです。

現実に向き合って進むために

私が常々「心の世界に魔法はない」と言っているのは、上に述べたことを十分に分かっているからです。

自分の意志を継続して実践できる人だけが人生を変えることができます。

「お手軽なやり方」などこの世には存在しません。

しかし、世の中を見渡せば、「魔法」を求める人が大多数です。

魔法を求めるがあまり、巧みな言葉に騙されてしまい、貴重な時間と大切なお金を費やしてしまい人がまだまだたくさんいます。

もう気づくべきときです。

現実と離れてあなた自身を変えていくことなどできないということに。

地道に継続していくことが結局人生を変える一番の近道だということに。

もしかしたら、あなたはもう気づいているのではありませんか?

あとは、最初の一歩を踏み出すだけです。