「汝自身を知れ」

ギリシア語では「γνῶθι σεαυτόνグノーティ・セアウトン)」と言うそうです。

古代ギリシア、デルポイのアポロン神殿には、この言葉が刻まれていたという話が残っています。

現代語的に言えば「自分を知りなさい」ということになります。

私たちは、物や情報に囲まれ過ぎているため「自分を知る」ことをつい忘れがちです。

マスメディアなど他人が発している情報ばかりを鵜呑みにしてしまい、それが自分にとって本当に必要なのかさえ考えることができなくなっています。

この言葉を聞いて、あなたはどのように感じたでしょうか?

「自分」って何だろう

あなたが思い描いている「自分」とは一体どのような人物なのか、「自分」とは一体何なのか、考えてみたことが一度はあるはずです。

「これが私だ」

と思っていることが本当なのか、それは誰にも分かりません。おそらくあなた自身でさえも確信を持つことは難しいでしょう。

それは何故だと思いますか?

それは「私たち人間に限らず、すべての生きとし生けるものは変化し続けるから」です。

私たちの体は成長するに従って大きくなり、20歳前後で体の成長は止まります。そして、40歳を超える頃になるとそれまでの生活習慣の差が如実に体に表れ、以降は程度の差こそあれ次第に衰えていきます。

一方、心の変化は目に見えるものではありません。

しかし、「年をとると子供に還っていく」と言われるように、考え方や感じ方、そして価値観も歳を重ねるごとに変化していきます。

「頑固ジジイ」なんて言葉がありますが、心は歳を重ねるに従って環境の変化に影響を受けることを嫌うようになります。

環境の変化に柔軟に対応するのではなく、環境を維持することでストレスや労力を抑えようと無意識に考えるようになります。

そこには「変わらない自分がいる」という大きな誤解があります。

変わっていくためには

「汝自身を知れ」とはどういうことか。

まずは現在のあなたをしっかりと受け止めることです。

そして、これから次第に変わっていくあなた自身について、目をそらさずにしっかりと受け入れることを意味しているのではないでしょうか。

「これが私だ」

と思い込んでしまったら、あなたの成長は止まります。

変化することを受け入れ、成長していく自分を常に求めていくことが、これからの時代は重要になります。

人生100年時代、半年後、1年後でさえ予測するのが難しい時代に突入しています。

この時代を生き抜いていくためには、変わることを受け入れることが重要です。