「ありのまま」

ディズニーアニメ「アナと雪の女王」によって流行った言葉です。

主題歌を幼い子どもたちが口ずさみ、原曲だけではなく日本語のカバー曲も有名になりヒット曲となりました。

この頃から、「ありのまま」という言葉を使う人が増えました。

「ありのままのあなたでいいんです」

「ありのままを認めてあげましょう」

とても耳障りのいい言葉です。

「ありのままの自分でいいんだ」と思った人も多いことでしょう。

しかし、「ありのままのあなた」を「素のあなた」あるいは「今のままのあなた」と思っていたとしたら、それは大きな間違いです。

あなたの目の前にいる人がいう「ありのまま」とは一体何ですか?

認めているようで実は

もし、あなたの目の前にいる人が「ありのまま」をしっかりと定義づけて話すことができたら、その人は自分自身と向き合ったことのある人です。

しかし、私はそういう人に出会ったことがありません。

「ありのままでいいんです」

と言っておきながら、次には

「本来のあなたとして輝いて生きましょう」

などという抽象的なことを言っているのだとしたら、その人からすぐに離れたほうがいいでしょう。

なぜなら、「本当のあなた」などというときは、今のあなた自身を否定することが前提にあるからです。

あなたのためを思っているように見せておいて、実はあなたを否定し

「今のあなたではない『本当のあなた』がどこかに存在していて、それを手に入れるためには私の言う『やり方』を学びなさい(私のグループに入りなさい)」

と勧誘・営業してビジネスにしているだけです。

こういう人が最近は本当に多くなりました。

とても残念なことです。

「相手のことを認めているようで、実は認めていない」

「集まって楽しくイベントをしていることが「輝いていること」だと思わせる」

これは、多くのカルトが使う手法と同じです。

そして、その主催者を「神格化」し、参加者が「信者」になり周りの人を勧誘し始める、ありがちな構図です。

こういうものにハマってしまう人は、それまで自分自身を認めてもらった経験が非常に少なく、あるいは認めてもらっていても受け入れることができない人です。

この状態を「ありのままを認めている」状態と言えるでしょうか?

「ありのまま」とは?

ありのままとは、「受け入れること」です。

過去のあなたがどうであれ、今のあなたがどうであれ、あなたがあなた自身についてどのように考えていたとしても、それらを全て受け入れることです。

過去のことを思い出したくないくらい、あなたにとっての「汚点」であったとしても、それもあなたです。

今のあなた自身に全然満足することができず、自分に対して憤っていたとしても、それもあなたです。

今この瞬間のあなたを作り上げてきたのは、それまでに経験した全ての出来事、関わった全ての人の影響があったからではありませんか?

それを一切認めようとせず、どこにあるかも分からない「理想の自分」という虚像に踊らされて、多くの時間と多額のお金を費やしてしまうのは、もうやめにしませんか?

虚像に踊らされてしまった人を、私は数多く見てきました。

「今の自分」という向き合うべき最高の素材を捨てておきながら、誰かから与えられたものを信じようとすることは、本当に勿体無いことです。

最高の素材を生かすも殺すもあなた次第です。

そのことに気づくべき時がきました。